かける
選考結果発表
該当作なし。
『泣けて、泣けて、元気になる小説賞』
「泣けて(ず)、泣けて(ず)、
延期になります。」
「泣けて(ず)、泣けて(ず)、
延期になります。」
応募作のほとんどが、作中の主人公が『泣いて、泣いて、元気に』なっていました。それでは読者の心を打ち、涙を流してもらうことはできません。むしろ、『泣かないで、泣かないで、死んじゃった』方が、涙を誘います。読者が共感する作中の人物が泣いてしまっては、ただの受け身で当たり前の人間になります。普通の人間が泣く所を、歯を食いしばってあきらめない。涙を堪えて何かを見つけ出すから、読者の心に残る物語になります。たとえ、不幸の結末でも、元気になる物語になります。『上を向いて歩こう』という歌の歌詞には、泣ける物語のエッセンスが詰め込まれています。『上を向いて』とは、希望の灯から目を逸らさない事。『歩こう』とは、能動的に生きる事。『涙がこぼれないように』とは、悲運に流されない事。今回は『下を向いて立ち止まって泣いている』物語が多かったです。確かに、その人々は悲しいのですが、読者としては、泣ける話として感じることができません。
ということで、もう一度再募集します。
「主人公が泣かず、泣かず、生き抜いて、」
「読者が泣けて、泣けて、元気になる小説賞」
※再募集については、3月31日(金)更新のWebマガジンCobaltで募集告知を行います。
【泣けるまで、もう一歩の作品】
『千の夏に逢いにゆく』 広瀬銀之助 / 『今日はだれかの命日で、そしてたんじょうび』 川島怜子 / 『AIと演劇の女王』 秋雨あきら / 『あまやどり』 村田真奈美