かける

秋杜フユのひきこもり小説賞選考結果発表ページです!

コバルト文庫で超人気!秋杜フユの『ひきこもり』シリーズをフィーチャーし、秋杜先生が考えた「お題」に続く短編小説を募集した「秋杜フユのひきこもり小説賞」。締め切りまでに集まった作品は30本、共通の「お題」を踏まえた作品でありながら、驚くほど多彩な内容に秋杜先生もびっくり! 厳正な審査を経て選ばれた受賞作品と、最終選考作品を、選評コメントつきで発表いたします。

キャラクター

秋杜フユ

秋杜フユ

たくさんのご応募、ありがとうございました。
 いろんな方向へ膨らませやすい文章を意識して書きましたが、同じ文章でここまで展開が変わるのかと、私自身とても勉強になりました。
 四百字詰め三十枚というのは本当に短く、入れるエピソードの数やどこまで説明するのかなど、取捨選択をしなければなりません。短編を書くたびにページ数に苦しむ私としては、応募作にもエピソードをまるまる削除したり、台詞を減らしたり、句読点を減らして行数を稼ぐなどなど、涙ぐましい努力があったんだろうなと思って、原稿を受け取ったとき、ついつい拝んでしまいました。

担当編集者まるほからひとこと

ドラマの始まりを予感させる、高まりとスピード感ある秋杜先生の考えてくださったお題。その勢いを生かしつつ、読み手を良い意味で裏切るキャラクターが登場することで物語がさらに加速する、一気読みしたくなってしまうような作品が多くありました。アイディアの突き抜け感と、短編としてのバランスの良さを兼ね備えた作品が最終選考に残ったように思います。

お題はこちら!

あるところに、それはそれは美しい少女がおりました。彼女を一目見れば、その姿を夢に見てしまうほど心に焼きつき、その声を聞いた者は、あまりに澄んだ声に心洗われ涙を流すと言われています。
けれど、美しいと評判の彼女の容姿を、誰も詳しく知りません。彼女は雲にまでとどく高い棟に、ひきこもっているからです。
噂ばかりで姿を現さない彼女を、いつしか人々はこう呼びました。
『幻惑の姫君』と——

「どうしよう、どうすればいい!?」
曲線を描く壁に囲まれた部屋の中を、少女はせわしなく歩き回っていた。
この状況を何とかしなければと思うのに、焦るばかりで打開策などちらりとも浮かばない。
 コン コン コン
ノックの音が響き、少女はとっさに口を両手でふさぐ。音の発信源である、この部屋唯一の扉へと視線を走らせた。
息すら殺して見つめる先で、金色のドアノブが傾ぎ、もったいぶるようにゆっくりと、扉が開く。

閉める ▲

秋杜フユのひきこもり小説賞 賞金5万円

『ひきこもり、怪盗にさらわれる』

時雨屋零次郎

添削イラスト

選評

 今回選ばせていただきました作品は、短い文章の中できちんと起承転結があり、物語としてバランスがいいと思いました。
 お題文との繋がりも自然です。主人公がいったい何に対して焦っているのかわかりやすいですし、その後の行動やセリフにも違和感はありませんでした。口の悪さにはびっくりしましたが、ちゃんと理由付けがされているので読んでいけば納得できます。怪盗のいかにも~な感じもかわいいです。こういうお約束のキャラってやり過ぎると浮いてしまうのですが、今作の怪盗は思わずニヨニヨしちゃういい塩梅でした。素晴らしいセンスだと思います。主人公も大好きなんです。思春期真っ盛りだというのにおとなしく女装し続けていたなんて、お母さん想いのいい子ですよね。こんな素直な息子が欲しい!(笑)

最終候補作品 (作品五十音順) ふーむ イラスト

『塔の上の魔女探偵』

真みのる

選評

 三十枚とは思えない、盛りだくさんな作品でした。よくこの枚数に収まったなぁと驚きです。独特なキャラクターからは作者の愛を感じました。

『臨時取調室~容疑者は塔の姫君~』

まどか菜々

選評

「幻惑の姫君」にひねりを加える作品が多い中で、ストレートにひきこもり姫を書いた作品でした。とにかくかわいくて、甘酸っぱい気持ちになれました。

『写本室の姫君』

小林 米

選評

 「幻惑の姫君」を幽霊にする、というのはまったく考えていない展開でした。まさに目から鱗。物語にあまり起伏はないのですが、その分ゆったりとした文章が心地よく、最後のオチはほほえましかったです。

関連サイト

e!集英社
コバルト編集部ブログ
ウルンジャー書店
マーガレットブックストア
ダッシュエックス文庫
ファッション通販サイト FLAG SHOP(フラッグショップ)