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かける
今回の講評
コバルト・イラスト大賞への応募は、数年来デジタル作品が大半になっていましたが、ここ数回はアナログ作品の応募数が増えています。今回は、佳作以上に入った作品の半数近くが手描きでした。アナログ作品には、紙がインクや絵の具を吸い込むときの微妙なにじみやグラデーションなど、デジタルにない手描きならではの魅力があります。応募作品には「デジタルでなければならない」「アナログでなければならない」という限定はありません。また、自分はどちらかしか描けない、と決めつけるのではなく、描きたいものに応じて表現方法を柔軟に使い分けてみるのもいいかもしれません。
夢咲ミルさん(千葉県)
今回入選した夢咲ミルさんの作品は、なんといってもその華やかさが魅力です。画力もデジタル技術も高く、背景や小物も手を抜かず描き込まれていますが、画面にメリハリがあり、「ここが見どころ」と伝えられている点が素晴らしいですね。カラーとモノクロの特性を理解し、しっかり描き分けられているのも好印象です。これまでに投稿された作品は重厚なファンタジーイラストで、夢咲さんの画風にとてもよくマッチしていますが、現代風のイラストにも、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
すずめさん(富山県)
水彩画ならではの繊細なグラデーションで淡く仕上げたカラーは独特の魅力。ただし、描線が色に埋もれがちなので注意して。モノクロは、カラーに比べるとやや完成度が劣ります。描線をさらに洗練させることを意識してください。
稲垣のんさん(福井県)
人魚や悪魔風の少年などのファンタジックなモチーフは、描く人が多い人気の投稿テーマですが、稲垣さんの作品は物語性があるのがGood。次回はモノクロをコミック風にトーンで仕上げ、カラーと明確に差別化することにトライして。
REINAさん(神奈川県)
デッサン力が高く、線の描き方にこだわりを感じます。筆で大胆に塗ったようなカラーの表現が個性的。細かい点ですが、花も美しく描けています。モノクロが線・トーンづかいとも少し粗く見えるので、描き方を工夫してみては。
右鷺さん(岡山県)
女の子と男の子を骨格からきっちり描きわけている点が◎。微妙な表情づけもかわいらしさがあってよいですね。もっと実力をつけるには、奥行きの表現に要注意。カラーは手前がボケすぎ、モノクロはやや平面的です。空間を描く練習を。
コロボックルさん(広島県)
一目でわかる個性的な絵柄と、画風にあうモチーフ選びが上手。ただし、以前から全身を好んで描く傾向があるので、どれも同じ絵に見えてしまう弱点が。カラーとモノクロをきっちり違う作品にできるよう、構図にも工夫をしてください。
唯奈さん(埼玉県)
キャラクターの顔がイキイキと描けていて魅力的。衣装の細かいひだや髪飾りなども丁寧に描かれています。人物の完成度は高いのですが、背景に穴埋め感があります。背景も作品の一部として全体の完成度アップを意識してみてください。
滝川月野さん(千葉県)
前回に比べてデッサン力がアップ。虎やドラゴンがとてもかわいく描けています。カラーでは人物に落ちる木陰の表現、モノクロはベタとホワイトのバランスなど陰影のつけ方に絶妙のセンスが。次回は画面のメリハリにも工夫してみて。
重花さん(台湾)
やわらかく流麗なタッチのイラストで、背景の流れる雲や光芒、花や木々、建物の細かい部分の描写に高い技術力が感じられました。モノクロのベタやカケアミ表現も丁寧でGood。次回は現代風のテーマにも挑戦してみてください。
朝野青葉さん(京都府)
細かい部分までペンで描き込んだ作品で、2作品とも独特の世界観に惹きつけられました。技術的にはまだ発展途上な点が多く、カラーとモノクロがほとんど差別化できていないので、練習を重ね画力を高めましょう。
大豆堂さん(北海道)
非常にこなれ感のある作品で、とくにモノクロのコミックイラストの完成度が高いです。カラーは今回描線がやや色に埋もれており、のっぺりとした印象になってしまっていてもったいない。色使いやグラデーションのメリハリを意識して。
馨月さん(兵庫県)
ややノスタルジックな画風で、剣や城、天使やローブなどファンタジックなモチーフが丁寧に描けている点は好印象。モノクロ、トーン無しにこだわりすぎてやや古めかしいので、自分の個性に「今風」を上手に取り入れる練習をしてみては。
もう一歩の方々 14名
一乃衣潤(北海道)/マツダユキ(茨城県)/黒沼ぴょこ(東京都)/つくねきなこ(東京都)/西村千春(東京都)/はしま(東京都)/絢原(愛知県)/まめ(愛知県)/佐籐凛(滋賀県)/DNA(滋賀県)/甘津メイコ(大阪府)/もりあみ(大阪府)/諏訪作之助(兵庫県)/リュウ(福岡県)