中原の覇者・煋王朝では、皇帝の崩御とともに、次代の玉座を巡り八人の皇子が争う「九天逐鹿(きゅうてんちくろく)」が幕を開ける。審判役である女帝の勅命のもと、蠱鬼(こき)を狩り、兄弟を陥れて、至尊の位にたどり着くのはただ一人。卑劣な奸計が蠢き、情を断ち切れぬ者から滅びていく。凄惨な戦いを潜り抜け、最後に笑うのは果たして誰なのか―― 。圧倒的な世界観で綴る、中華謀略譚。
18歳。九天逐鹿の間だけ玉座を預かるかりそめの女帝。次期皇帝即位に伴い殺される運命にある。
女帝付きの宦官。九天逐鹿を最高の見世物と言って楽しむ。
祭祀をつかさどる高官。九天逐鹿をひどく嫌っている。
恭明に仕える奴僕。
威昌に仕える近侍。
狗に仕える宦官。
革義の王妃。
令哲の母。
至純の姉。
ト占で選ばれた、呂姓を持つ八人の皇子。
龍生八子による玉座争奪戦。凌咒剣(りょうしゅけん)で蠱鬼(こき)を斬ると、夭珠(ようじゅ)と呼ばれる玉を得られる。毎月末の解魄(かいはく)で定数を満たした者だけが戦いを続けることができる。武力と知略を尽くし、最後の一人となった者が次代の皇帝となる。
蠱鬼を斬るための剣。もともとは九鼎(きゅうてい)のひとつ。皇帝が崩御すると、八本に分かれる。蠱鬼だけでなく、人も斬ることができる。
蠱鬼に心の臓を喰われるか、解魄(かいはく)で落第するか、凌咒剣で斬られるかして龍生八子の肉体が滅び、霊魂が九鼎(きゅうてい)のなかに封じられること。
皇帝の礼器。 摧冥鏡(さいめいきょう)―― 鏡 莫謬硯(ばくびゅうけん)―― 硯 弘衛盾(こうえいじゅん)―― 盾 佯羲面(ようぎめん)―― 仮面 兢惏爵(きょうりんしゃく)―― 爵(さかずき) 斉厤琴(せいれききん)―― 琴 來嘉扇(らいかせん)―― 紈扇(うちわ) 凌咒剣(りょうしゅけん)―― 剣 瑩鳳鐲(えいほうたく)―― 手鐲(うでわ) そのかたちにかかわらず、一脚、二脚と数える。
九脚の九鼎(きゅうてい)のこと。天子の証。一脚でも国外に持ち出されれば、すべての九鼎が壊れてしまう。
皇帝が操る神威の炎。他国の侵略から国と民を守っている。
凌咒剣に皇子の血をしみこませる儀式。
夭珠を入れる巾着袋。
毎月末に、女帝が各人の夭珠を数えること。定数に満たない者は失鹿する。
失鹿の対語。解魄に及第したことを表す。
何らかの理由で没収された夭珠の行方を皇子たちが話し合うこと。
没収された夭珠をみんなで山分けすること。
没収された夭珠をめぐり、皇子に擬態した蠱鬼を狩る競争をすること。
皇宮に現れる妖怪。人に擬態して、凌咒剣を持つ者を襲う。斬られると黒い血を流す。 下級蠱鬼の蝪(とう)、中級蠱鬼の蠕(ぜん)、上級蠱鬼の蟜(きょう)、最上級蠱鬼の蜿(えん)がいる。得られる夭珠はそれぞれ白玉、紅玉、黄玉、翡翠。