舞台「炎の蜃気楼昭和編 夜叉衆ブギウギ」アフターインタビュー&観劇レポ!

大変な盛り上がりのなか、千秋楽を迎えた
舞台「炎の蜃気楼昭和編 夜叉衆ブギウギ」。
夜叉衆を演じられたみなさん、
桑原先生に改めて感想をお聞きしました!
さらに、冬乃郁也先生による観劇レポートも!

夜叉衆スペシャルインタビュー

富田 翔さん

(加瀬賢三/上杉景虎役)

Q:桑原水菜先生の書き下ろし脚本「やどかりボレロ」を演じてみての感想をお聞かせください。

ミラージュ特有でもあるのですが、今まで以上に様々な場面でピーンと張り詰めたような空気感がとても印象的で
痺れました。
やはり想像を超えるお客様の反応がとても嬉しくもあり、日々身の引き締まる想いでした。
先生とも色々とお話をさせていただき、そのベースにあるところを超えるつもりじゃないと出来ないと思い、
しっかり戦いました。
終わってみて改めてあの本をやらせていただけたことを心から幸せに思います。

Q:「やどかりボレロ」で一番印象的だったシーンやセリフなどを教えていただけないでしょうか。

一番印象的だったのはやはり独白のシーンでした。言葉にするのが難しいくらいな凄い空間でした。
言い方とかやり方とか毎回違ってもいいから、どう魂削ってあの空間と台詞とぶつかりを表現出来るのかと
いうことを大切にやらせていただきました。
好きな台詞は「夜叉衆は、オレ逹5人だったから四百年もやってこれたのかもしれないな」です。

Q:「夜叉衆ブギウギ」の公演が終わっての感想をお聞かせください。

このスピンオフ作品、オリジナル作品をやらせていただき、舞台版『炎の蜃気楼』としても、それぞれの
役としても、さらにもう一段階深くまでいけたような気がしています。皆様のおかげです。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
是非またお会い出来ることを信じて走り続けます。

荒牧 慶彦さん

(笠原尚紀/直江信綱役)

Q:桑原水菜先生の書き下ろし脚本「やどかりボレロ」を演じてみての感想をお聞かせください。

直江にとってとても重い話でした。
換生について、尚紀について、和歌子について、抱え込まなければならないことが重すぎて演じていて正直
辛かったです。

Q:「やどかりボレロ」で一番印象的だったシーンやセリフなどを教えていただけないでしょうか。

やはり景虎とのシーンです。
景虎と二人きりのシーンになると客席から「ピーン」と音が鳴るような独特な雰囲気になるので。
お気に入りのセリフは「尚紀を殺した上に尚紀を愛する人逹から尚紀を奪いたくない」ですね。
この一文に尚紀の苦悩が凝縮されている気がします。

Q:「夜叉衆ブギウギ」の公演が終わっての感想をお聞かせください。

景虎や直江以外のキャラクター逹にそれぞれスポットが当たっていて、
一人の観劇者として素直に面白い作品でした。
ミラージュの世界をもっと知れたし好きになれた作品です!

佃井 皆美さん

(小杉マリー/柿崎晴家役)

Q:桑原水菜先生の書き下ろし脚本「やどかりボレロ」を演じてみての感想をお聞かせください。

ど頭の裁判のシーンは、毎回とても胸が張り裂けそうでした。
景虎と直江の葛藤を見れて、【換生】について深く考えさせられました。

Q:「やどかりボレロ」で一番印象的だったシーンやセリフなどを教えていただけないでしょうか。

執行社長の誕生日パーティーのシーン。
景虎の『夜叉衆はこの5人だからやってこれたのかもしれないな』って台詞が好きです。
私はその時色部さんとろうそく必死に数えてましたが。笑
マリーも聞いてたら、激しく同意!の気持ちで優しく微笑んで頷いたんでしょうね♪

Q:ご自分の役がメインの物語を演じてみての感想をお聞かせください。

マリーの過去を演じて、なぜか、とても晴家を感じました。
400年の重みも感じました。
心から慎太郎さんに会いたいと思いました。
そして、自分の役への理解や愛情が深まった事で、
夜叉衆メンバーへの信頼感と絆を更に強く感じることができました。

Q:「夜叉衆ブギウギ」の公演が終わっての感想をお聞かせください。

このタイミングでブギウギをやれて本当に良かったなと。
だって、この続きを知っていると、
先へ進みたくなかったんですもの――!!
ずっと夜叉衆ブギウギしてたいと思いました。
本当に幸せな時間でした。

藤本 涼さん

(宮路良/安田長秀役)

※すべての質問を包括して、ということでご回答いただきました。

夜叉衆ブギウギを終えて、とりあえずホッとしています。
ミラステは独特の雰囲気がありますので。
その中で、先生書き下ろしの「やどかりボレロ」。
ザ・ミラージュって感じでした。
景虎が自白剤を使われ、一人苦しむシーン。
あのシーンがやはり印象的で、演じさせていただいた長秀としても、一人の人間としても色々考えさせられました。

また、今回「黄浦江ワルツ」で、長秀メインの話をやらせていただいて、
去年より長秀という人間をより考えました。
宿体が若い時と言っても、長秀にとっては400年のうちの十数年前。
若さというより、夜叉衆から離れ、上海という街だからこその長秀が表現できればと
考えていました。長秀っていい奴だなって、改めて思い、益々好きになりました。

笠原 紳司さん

(佐々木由紀雄/色部勝長役)

Q:桑原水菜先生の書き下ろし脚本「やどかりボレロ」を演じてみての感想をお聞かせください。

換生についてあらためて考えさせられました。悲しすぎる、過酷すぎるなと。
そんな中、冒頭の裁判シーンはとにかく秀逸だと感じました。
非常に演劇的でいて、加えて相関図よろしく夜叉衆の立ち位置までギュギュッと濃縮されていて、
正直演じていて辛いシーンでした。
小説のみならず脚本でも先生の筆力には舌を巻くばかりです。

Q:「やどかりボレロ」で一番印象的だったシーンやセリフなどを教えていただけないでしょうか。

どのシーンも印象深いですが、特に信長、蘭丸が出てくるラストシーンが印象的でした。
演者は言わずもがな、照明、音楽等の演出がとても妖しく綺麗で毎回魅入ってました。
特に蘭丸役の林さんが一見リリカルに吐露しているようで、実は直江へのシンパシーを内包したいんだという想いを
耳にしてからは、さらに目が離せなくなりました。
先生のクリフハンガーも素晴らしくて、ただただ脱帽です。早く続きが観たいです。

Q:ご自分の役がメインの物語を演じてみての感想をお聞かせください。

個人的には普段ほとんど自分の内面を語らない色部さんのことが、より深く味わえたようで嬉しかったです。
話の中心にいる演者としては、藤本さんや佃井さんの物語と違ってアクションも歌もない構成は不安でしたが、
この物語には登場人物最多という特色がありました。
メインキャスト、ゲストキャストさんは言わずもがなアンサンブル、殺陣衆の皆さんのそれぞれが奏でるたくさんの
素敵な音に助けられ、そのひとりひとりの人物にどんな音でセリフを返すのかに心を配りました。
先生の偉大な原作小説のセリフに、ほんの少しでも生身の音で立体的に表現できればという挑戦でした。

Q:「夜叉衆ブギウギ」の公演が終わっての感想をお聞かせください。

先生の、ファンの皆様の、そして僕らの大切なミラステ。
事故なく終えられたこと、いろんな意味で心の底からホッとしています。
二日間珍しく高熱出して寝込みました。夢の中では常にそこはかとない「がめ医者エレジー」本番中感。
ふいにハッと目覚めると「まずい!入り時間何時だったっけ!汗」と携帯を開く。
これが巷で噂の「ミラロス」ですか。タモロスもなかったのに。

桑原水菜スペシャルインタビュー

Q:「やどかりボレロ」を書き下ろされてのご感想をお聞かせください。

景虎と直江をメインに「換生とは」をテーマに描きました。
今回、荒牧さん演じる直江の前生「山口利之」と今生「笠原尚紀」が両方登場するおかげで描けたお話だと
思います。幼なじみの和歌子とのエピソードは、換生がもつ不条理を端的に描けたのではないかと思います。
また景虎が(原作でも滅多に描けない)真情を吐露する独白シーンは、私の中にある景虎像の凝縮でもありました。読者の皆さんもきっと観てみたかったところではないかと。ふたりの息詰まるやりとりと共に見所のひとつと
なりました。
ラストシーンの織田主従とのやりとりでは、本編を踏まえた台詞をあえてまぜこんでみました。
蘭丸の「私も見とうございます」の台詞は本編終盤で出る台詞です。
また朽木の日替わりアドリブや執行社長の誕生パーティなど、キャストの皆さんに遊び心を出してもらえるシーンも
入れられて、ブギウギらしい軽妙さも出せたかと。
この舞台だからこそ書けた一編ですので、思い入れ深いです。

Q:舞台「夜叉衆ブギウギ」をご覧になってのご感想をお聞かせください。

オムニバスでしたが、非常に濃い内容だったと思います。
夜叉衆ひとりひとりの個性をじっくり味わえ、どの物語も愛着深いです。
キャストの皆さんの「役がここに生きている」と思える熱演と、素晴らしいスタッフワークにより、泥臭くも美しい
舞台に仕上がっていました。
またゲストキャスト、殺陣衆&アンサンブルの皆さんが演じた「昭和を生きる人々」の存在感。時代の空気を
作るだけでなく、ひとりひとりの関わり方で、夜叉衆の生き方をも見事浮き彫りにしていた。
舞台と客席の空気に隔たりがなく、ミラージュの世界に体ごと入り込んだような感覚でした。今も彼らはあそこで
生きているような気さえします。
素晴らしい舞台をありがとうございました。

舞台「炎の蜃気楼昭和編 夜叉衆ブギウギ」観劇レポート マンガ/冬乃郁也

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