みなさん、こんにちは! THE RAMPAGEの岩谷翔吾です。
『岩谷文庫~君と、読みたい本がある~』第21回は、歴史小説の大家・司馬遼太郎さんの代表作『燃えよ剣』のレビューをお送りします。
『燃えよ剣』は、新選組で「鬼の副長」と呼ばれた男・土方歳三の生涯を綴った歴史小説です。幕末は、歴史好きな方にはとても人気がある時代で、土方歳三もファンの多い人物ですよね。でも、実は僕は幕末という時代について、授業で習った程度にしか知りませんでした。土方歳三のことも「名前はぼんやり覚えているけど、何した人だったっけ?」状態。むしろ漫画の『銀魂』のコメディっぽいイメージが強くて……。それに、本格的な歴史小説を読むのも初めてのことでした。
そんな馴染みのないジャンルの小説を今回なぜ取り上げることにしたか? 「せっかく『岩谷文庫』をやらせてもらっているのだから、僕のおすすめの本だけでなく、今まで読んだことがないジャンルにも挑戦してみよう」と考え、日本の歴史小説の第一人者である司馬遼太郎さんの代表作を選んだんです。『岩谷文庫』では2年目になってから、物語の内容に絡めた写真を撮影しているので、『燃えよ剣』を紹介したら、以前みなさんにご好評いただいた和装の写真がまた撮れるなぁ……なんて思ったのも理由のひとつですが(笑)。
いずれにせよ、僕にとっては、『岩谷文庫』があったからこそ触れることができた、新しい読書体験でした。
では早速、『燃えよ剣』のあらすじをご紹介しましょう。
江戸時代の末期、いわゆる幕末の日本は、江戸幕府の体制がゆらぎ、それまでの支配階級だった武士たちを中心に、日本全体が「天皇を奉じ幕府を倒そうとする倒幕派」と、「幕府を守ろうとする佐幕派」に分かれて争う時代でした。さらに、400年間も外国との交流を拒む鎖国が続いていたところへ、ペリーによる黒船来航という事件があって、日本は「外国人を拒み鎖国続行を望む攘夷派」と、「鎖国を解いて外国との関係を新たに築こうとする開国派」にも割れていた。まさに混乱の時代でした。