獣と人の姿をあわせ持つ神秘の存在─花犬。
花犬は人と絆を結び、生涯の花主を定めて身を捧げる。
そんな花犬を相棒に、狩りを行うのが花操師だ。
花操師見習いの少女・コトナは、
過去に経験した花犬との辛い別れを引きずり、
現在ともに暮らす花犬・セキとの関係が
ぎくしゃくしている。このままでは、
近く催される昇格試験の合格も危ぶまれる─
そんな時、凶悪な花犬が出没する
事件が相次いで……!?
コバルト文庫９月刊で鮮烈デビューを飾った、
瑚池ことりの『犬恋花伝─青銀の花犬は誓約を恋う─』。
その幻想的な世界の魅力をご紹介！
特例で花操師見習いとなったリン
セイ族の少女。17歳。狩猟の腕前
は未熟で爪牙もうまく操れないが、
草花については並外れて豊富な知
識を持つ。セキとともに暮らしている。
優秀と謳われる血筋の花犬。以前、
敵対する部族の花犬から“臆病傷”
を負わされ、療養の名目でリンセ
イ族に預けられた。現在、コトナ
に面倒を見られているが、彼女と
の関係は複雑。
弱仔として一旦は捨てられたが、
コトナに救われ育てられた花犬。
コトナのことを無邪気に慕ってい
たが、赤鬼（チェトグル）と呼ば
れる怪物のような花犬に殺されて
しまった。
リンセイ族の青年。19歳の腕利き
花操師。スールという花犬と絆を
結んでいる。コトナの兄・リクに
ライバル意識を抱いており、何か
とコトナにつっかかってくる。
シャリジと絆を結んだ大型の花犬
で、すぐれた嗅覚の持ち主。主の
シャリジに反してコトナが気に入
っており、彼女から菓子花を分け
てもらうのが好き。
薬草花を用い花犬の医療
にたずさわる薬花術師の
老婆。女花操師として王
都に名を馳せた過去を持
つ。草花に詳しいコトナ
とは、薬草花のやりとり
を通じてよく言葉を交わ
している。
人と獣、ふたつの姿をとることのできる不思議な犬。
花を食べて生きる。自らの心にかなう花操師を「花主」とし、
その耳に花主の名を入れる「耳刻」を交わして誓約を結び、
一生を共にする。
花犬と絆を結び、共に狩りをする者たち。花守人の家から
出た者がなることが多い。見習いが正式な花操師になるためには、
「考試」と呼ばれる昇格試験に合格する必要がある。
花操師が狩りに使う二本の短剣。つばがなく、
柄頭が輪になっていて、普段は皮長靴の脇に収められている。
一族の中で、花を栽培することを生業とする家筋の人々。
一族の中で、狩猟を生業とする家筋の人々。
花操師からとくに選ばれて王都に上り、ラズ国の国王の
警護を行うエリート。
主人公コトナたちが属するリンセイ族、その上位にある
キサラ族などを治める国。水属性の力を持つ花犬が住む。
ラズ国と敵対関係にある隣国。ロンゴ族などの花の民の
部族がいる。炎属性の力を持つ花犬が住む。
犬恋花伝 書影
犬恋花伝 -青銀の花犬は誓約を恋う-
瑚池ことり イラスト／あき 本体570円＋税
きみの隣に、ふさわしい自分でいたい―――。
人と獣の姿を持つ不思議な存在・花犬と、
花犬と生涯の絆を結び狩りをする花操師たちが生きる国。
花操師見習いの少女・コトナと、その相棒の花犬・セキは、
すれ違い、傷つけあいながらも惹かれあっていて……。