昭和二十年。終戦直後の混乱の中、
きれいごとも通じない混沌とした街で、誰もが苛酷な朝を迎えていた時代に、群青たちが見つけた道とは―― 。
彼らが見た夜明けの景色をぜひいっしょにご覧ください。
戦時中、朝鮮半島に育った阪上群青。日本は太平洋戦争に敗れ、群青は母とともに引揚船に乗る。
だが、船中で母とはぐれた群青は、直後に何かが海に落下する音を聞いた。
その場に居合わせたのは、赤城壮一郎という男。
さらに謎の男が現れ、「赤城が君の母親を突き落とした」と告げられる。
母の失踪に赤城が関係しているのか。
疑惑がぬぐえないまま、行く当てのない群青は、赤城と共に焼野原を生きることに。
戦後の混乱期、上野の闇市で商売をするうちに、人々が衣食の次に必要なのは「清潔」だと気づき、
二人は仲間たちと石鹸会社を立ち上げた。ともに困難に立ち向かう日々の中、
群青にとって赤城がかけがえのない存在となっていく。
だがそんな時、引揚船の男が再び現れ、衝撃の事実を群青に伝えた。
果たして二人の行きつく未来は……。