かける
選考結果発表
泣けて泣けて元気になる小説賞Rへのご応募有り難うございました。
前回は残念ながら該当作なしという結果に終わりましたが、再募集の今回はより多くの力作が集まりました。
その中で大賞は、「幸せになれる確率」(作・森明日香)に決定いたしました。
泣けるという大切で難しいテーマにチャレンジしていただいた応募者の方々に深く感謝いたします。
今後の小説賞の応募にも、意欲的に参加いただきますようお願いいたします。
総評 / 編集・島田
小説に限らず感情を動かすことは、動かす者の作為より動く者の感受性に関わっているんだと思います。
ひとつの言葉やエピソードが何倍にも膨らんで、時には作り手の意図をも超えていく。感情に訴える表現を意図的に行うことはとても難しいことです。ですから、自分が受け手になったときに何に心が動いたか、 一つの言葉、小さな物語がどれくらい自分の心の中で変化したか、その経験を大切にして作品に臨むことが大切なのではと思います。今回の応募作を拝読して感じたことです。
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選評
おばあちゃんの手一つで育てられた女性が、結婚について悩み、幸せになることについて思いを巡らせるというシンプルな物語です。両親に捨てられたという主人公の悲しい境遇が、等身大で的確な心理描写で描かれていて共感させられます。ラストでアルバムを見ながらおばあちゃんと語り合うシーンは過去と現在、そして未来へと背中を押される主人公の感情に触れ、涙を誘います。