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かける

箱の中には・・・?小説賞 選考結果発表

選者 編集のしこ

「箱の中には死体がつまっていた……」というオチの作品ばっかりだったどうしよう、なんて心配していましたが、まったくの杞憂でした。どちらかといえばハッピーエンドで、“箱の中身”もあたたかな気持ちになれるモノという作品が多かったように感じます。
舞台設定から“箱の中身”まで、多種多様な作品をお寄せくださって、ありがとうございました! とても楽しく選考させていただきました。

大賞 賞金図書カード5000円

『箱から孵る』

月原たぬき

選評

超才色兼備な双子の姉への嫉妬と劣等感に苦しむ主人公の描写が見事で、息が詰まるほど。姉の下駄箱に嫌がらせをする犯人がわかったシーンからの「実は……!」を畳みかけるラストが大変素晴らしく、感動しました。主人公が二人の友達、飛鳥と紗織と遊んでいるシーンはユーモラスかつ本当に楽しそうで、ぐっときます。語り口にユーモアとセンスがあり、「箱の中身」を見事に話のオチにしてくださった作品でした!

佳作

『石の名は運命をひらく』

木津川結

選評

小さな集落で、爪はじきにされる少女・セナの孤独がとてもよく描写されていました。行き倒れの青年と心を通わせ、「彼にここにいてほしい」と密かに願う様子がとても切なく、胸を打ちました。彼が肌身離さず首から下げている箱の中身が「帝の宝珠」なのでは…という展開もとても惹かれました。

『条禅寺家の相続箱』

あしろ詩雫

選評

条禅寺家当主の、「その箱に見合う財産を、お前たちにやろう」というセリフから始まる物語。3兄弟(と次兄の婚約者・蝶子)による殺伐とした遺産相続争いの話になるのかと思いきや………。意表を突く展開で読ませました。『箱屋』と書いて『しまいや』と読ませる店の、不気味な店主がいい味を出してる!

佳作

『愛の箱』

晩稲 穂

選評

愛を可視化する術がある世界という発想が面白いなと思いました。みーたろうが囚われている施設の設定などにやや既視感があるものの、愛を知らない女性と少年のやりとりの切なさが良く伝わってきました。

『お城の結界術師』

香沢まどか

選評

国民の大半が魔術を扱うことができる国が舞台。決して叶わない恋なのだ、という点をもっと押し出してもよいのでは……と感じましたが、結界術師の少女と、政略結婚が決まっている王子との関係を丁寧に書いてくださいました。

関連サイト

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