桑原水菜『荒野は群青に染まりて 相剋編』発売記念特集

相剋編 あらすじ

戦時中朝鮮半島に育ち、引き揚げてきた阪上群青と、かつて満鉄調査部に在籍していた男・赤城壮一郎。
引揚船の上で運命的な出会いを果たした二人は、
瓦礫と化した東京で身を寄せ合うようにして暮らすうちに石鹸製造会社「ありあけ石鹸」を創業。
群青は、自分の理想の石鹸作りを実現しようと意欲を燃やす。

だが、昭和三十四年。九年前に大学へ進学したはずの群青は、消息不明になっていた。
ありあけ石鹸は倒産の危機から身売りし、社長だった赤城はただの社員に。
親会社となった大手油脂会社からやってきた経営陣と、
旧ありあけ石鹸時代からの社員たちによって社内に分断と反目の空気が漂う。
赤城が苦悩するなか、思いも寄らぬ肩書きを背負った群青が、
突如ありあけ石鹸に姿を現す──。

人物紹介

阪上群青(さかがみぐんじょう)

朝鮮半島で生まれ、十四歳まで京城で育つ。終戦とともに引揚船で〝見知らぬ祖国〟へ帰国した。旧日本陸軍・大河内中佐の妾腹の子。知識が足りないことを自覚し、ありあけ石鹸を退社して大学へと進学した。

阪上群青(さかがみぐんじょう)
赤城壮一郎(あかぎそういちろう)
赤城壮一郎(あかぎそういちろう)

かつて満鉄(南満州鉄道)調査部に在籍していた。東京に戻ってからは群青とともに暮らし、ありあけ石鹸を起業した。

阪上群青(さかがみぐんじょう)

朝鮮半島で生まれ、十四歳まで京城で育つ。終戦とともに引揚船で〝見知らぬ祖国〟へ帰国した。旧日本陸軍・大河内中佐の妾腹の子。知識が足りないことを自覚し、ありあけ石鹸を退社して大学へと進学した。

阪上群青(さかがみぐんじょう)
赤城壮一郎(あかぎそういちろう)
赤城壮一郎(あかぎそういちろう)

かつて満鉄(南満州鉄道)調査部に在籍していた。東京に戻ってからは群青とともに暮らし、ありあけ石鹸を起業した。

近江勇吉(おうみゆうきち)

東京に着いた直後の赤城と群青と行動をともにする。ありあけ石鹸取締役。

東海林千造(しょうじせんぞう)

戦時中、陸軍で研究員をしていた。ありあけ石鹸製品開発部長。

勅使河原一登(てしがわらかずと)

戦前は老舗・桜桃石鹸の工場で働いていた。ありあけ石鹸製造部長。

リョウ

上野の闇市を根城にしていた孤児たちの集団「アメンボ団」のリーダー。

荒野は群青に染まりて 相剋編
桑原水菜

集英社 定価2,200円(税込)好評発売中