編集G
高校生たちの人間模様を描いた作品です。主人公の作間理人は、どうやらかなりのイケメンらしいですね。一人称で書かれている話ですから、自分で自分を「イケメン」と言っているわけではないのですが、他者からの扱われ方を見ると、そうとしか思えない。「(文化祭の劇では)みんな作間君の相手役を狙ってるに決まってるでしょ」とか「結局、理人目当ての女子ばっかりだ。理人ずるい」みたいなことを言われてますよね。それに対して主人公が否定をしている様子もない。ということは、主人公は常に周囲からイケメン扱いをされており、主人公自身にも「俺ってけっこうイケメン」という認識があるということだと思います。そのうえ主人公は、心優しい好青年でもあるらしい。だから、彼がクラスの一見冴えない女の子・菅原さんに惹かれていき、彼女も主人公に心を開いてきている様子で……という展開に、「これは、最後に二人がいい仲になってハッピーエンドかな」と思っていたんです。「正直、それではちょっと面白くないな」と。
ところが実際はどんでん返しで、菅原さんは主人公の悪友、ちょっとチャラついたところのある大橋とくっついてしまった。自分が菅原さんと付き合うことになるかもと思ってフワフワと幸せな気分でいた主人公が、ラストでドーンと落とされる話で、非常に面白かったです。僕はイチ推しにしました。「イケメンざまぁ」なのが、とてもよかった。