編集H
主人公は、引きこもり同然の日々を送っている青年です。夜明け前の庭先で、偶然通りかかった元同級生の女の子に話しかけられ、彼女に誘われるまま、久しぶりに家の敷地の外へと足を踏み出すことになった。その後彼女は、何度も「僕」を外に連れ出すようになるのだが――というお話です。普通に現実が舞台の話かと思いきや、真相に驚かされ、切なさに胸がじんとする物語になっていました。私はイチ推しにしています。主人公が長年抱えてきた辛い気持ちは、想像すると胸が痛むほどです。救いのある美しいラストになっていて、本当によかった。