編集I
主人公のさとこは、絵を描くことが好きな女子高生です。叔父が結婚することでできた新しい叔母は、怪我でバレリーナを引退した若く美しい女性、舞衣さん。バレエの道を断たれ、まだ傷ついているであろう彼女の気持ちを紛らわすために、さとこは叔父からの依頼で、週に一度舞衣を訪ね、一緒にお茶を飲む。舞衣はさとこを気に入っているらしく、毎回手作りのお菓子を用意してもてなしてくれる。でも実は、相手に強烈に惹きつけられているのは、さとこの方なんですね。
何げない風を装っているけど、内心では、この美しい叔母さんが好きで好きでたまらない。しかもそれは憧れだけではなく、恋愛感情も強く混ざった「好き」なんです。でもその感情を、表面には出さない。その代わり、自分のもう一つの情熱の対象である「絵を描く」ことを通じて、舞衣に少しでも近づこうとしている。さとこが舞衣に抱いている想いは、プラトニックなんだけど、非常にエロスを感じるものでもあって、読んでいてとても引き込まれました。こういう描き方のできる作者の感性はとてもいいなと思ったので、私はイチ推しにしています。