編集E
爽やかな青春もので、非常に読後感のいい作品でした。
主人公は、クラスメイトの女の子・辻さんへの恋心を秘めている、中学三年の男の子・宮本くん。辻さんは、宮本の幼馴染・光と仲のいい子なのですが、ある日辻さんに呼び出され、「私、光が好きなの。あなたもでしょ?」と聞かれた主人公は、流れでつい肯定してしまう。そして、後に引けないまま、ずるずると「光を好き」なふりを続けるはめになる――というお話です。「誰が誰を好きか」という矢印が、うまい具合にバラけていますね。そこを崩さずに最後まで書ききったのは良かったと思います。