編集G
弟にコンプレックスを抱いているお兄さんのお話です。今はまだお兄さんの方が前を歩いているんだけど、弟くんは天性の才能を持っているので、近い将来追い抜かれるのではと戦々恐々としている。イラついて、焦って、友人にもつい嫌な態度を取ってしまったりする。そして、そんな自分にさらにイラついてしまう……主人公・充の苦しい思いはすごく伝わってくるし、共感できます。でも、充は最後には、そういう思いを全て正面から受け止めて、自分は自分なりに精一杯成長していこうと思うようになる。これがもうすでに、すごい成長ですよね。青春感のある爽やかなお話になっていて、とてもいいなと思いました。読後感がいいし、生まれながらの才能に恵まれている弟の一馬くんも、全然嫌なキャラクターじゃない。兄弟双方に好感を持てました。親友の純也くんがまた、いい感じの男の子なんですよね。過去のエピソードなどもちゃんと用意されていたし、奥行きのある物語が描けていたと思います。