編集G
ホラーっぽい作品で、面白かったです。ただ、モヤッとするところもいろいろありました。ここから先はネタバレを含みますので、未読の方は本編を先に読むことをおすすめします。
結局この「水辺の男の子」の正体は幽霊だったわけですよね。殺されたあと身体を切り刻まれ、トイレと川から流された。主人公はこの男の子と、最初は海、次に川、さらに自宅近くの橋と三度出会っている。要するに男の子は、身体が流された先から、逆をたどって、最初の場所へ戻ってきたわけです。でも、トイレから流されたほうの身体は、下水を通って別の場所に行ったはずですよね。そっちはそっちで、別のルートをたどって戻ってくるはず。「自宅近くの橋」の次に、「自宅のトイレ」に出現するというのは、流れとしてちょっとおかしいんじゃないかな。まあもしかしたら、トイレに現れた少年は、「下水から流された先から戻って来たほう」なのかもしれないけど、読者がすんなり納得できる理屈にはなっていないように思います。
しかも最後、犯人であるお兄さんが、いきなり主人公を殺そうとしますよね。これもちょっと変だと思う。主人公に疑われているわけでもないのに。ただ、この強引で唐突な終わり方がB級ホラーっぽくて、僕は割と気に入っています。枚数にはまだ余裕があるので、もうちょっと書いてもいいような気もするのですが、いきなりぶった切って終わるこのB級ホラー感、嫌いじゃないです(笑)。