編集B
キャラクターの描き方がうまい作品だなと思いました。主人公はちょっとおバカというか、あんまり物事を深く考えたりしない感じの男の子なんだけど、先輩の乾さんに仔犬みたいに懐いているところがかわいいですね。先輩の引退試合のとき、「もう会えなくなる~!」とわんわん泣いていた割に、いったん離れると半年ぐらい思い出しもしなかったというのも、リアルだなと思います。
乾さんのほうも、ただのかっこいい先輩じゃなくて、実はいろいろ事情を抱えてるんですね。家には認知症のおばあさんがいて、乾さんが主に面倒を見てるとか。でもそのことを、本当は少々重荷に感じているとか。話の後半では、主人公が単純に憧れて慕っていた「乾先輩像」とは少し違う側面も浮かび上がってくる。