かける

第74回コバルト・イラスト大賞発表!

コバルト・イラスト大賞では、『架空の小説のカバーイラストを描く』という実践的なテーマで作品を募集中です。これまで、現代ものからあやかしもの、ファンタジー、青春などさまざまなキーワードを盛り込んだお題を提示してきました。今年9月まで募集した第74回は、大正モダンな世界観を彷彿させる『パーラー戀物語』というお題に、多くの力作が集まりました。

応募テーマ

タイトル
『パーラー戀物語』
あらすじ
時は明治、帝都・東京。貧乏書生の佐伯令一には悩みがあった。大学の近くにあるパーラーの女給さんに片恋慕し、郷里からの仕送りを切り詰めて週四で通い始め早半年。まだ彼女のお名前も聞けていないのである。「今日こそはお名前を聞くのだ!」と意気込み、その日も開店と同時に訪れた令一だったが、店内にはすでに先客が。帝国陸軍の制服と、いかにもなエリートの雰囲気に身を包んだ美丈夫は、女給さんとただならぬ様子。更には彼女を「咲子」と呼んで……。恋破れたりと早とちりして立ち去ろうとする令一を、咲子が呼び止める。「そこの常連さん!お願いがあります!」覚えてもらえていた!と喜ぶのもつかの間、咲子の頼みとは、幼馴染の青年将校・端島の危機を救うことで!? 恋敵と組まされることになった令一の運命は!? 咲子に想いを告げることはできるのか!?

今回の講評

第74回コバルト・イラスト大賞に多数のご応募ありがとうございました。今回のお題は『パーラー戀物語』。明治時代の東京の東京を舞台に、パーラーの女給・咲子、貧乏書生の令一、青年将校・端島と、わかりやすい属性のキャラクター3人が配置され、恋愛要素やバディ要素などいろいろな展開が可能な設定でした。今回集まった作品は、描かれているキャラクターの容姿や小物等に共通点が非常に多く、キーワードから連想できるテンプレート的なキャラ造形になっている点が選考会で話題になりました。一方、お題のあらすじからそれぞれのキャラクターを自分なりに解釈し、設定に落とし込んだ上で作品を描いている人もいました。作品を描く時は、基本(分かりやすいベタさ)を押さえることも大切ですが、安易なイメージになっていないかという点に留意し、お題を咀嚼し自分のものにした上で描く意識を持ちたいものです。

大賞,賞金30万円

該当者なし

入選,賞金10万円

小鳩白果さん / 福岡県

かわいらしさのあるキャラ造形+清潔感のある淡い色使いがよくマッチしている小鳩白果さんの作品。実は、3人のキャラの設定を細かく考え、衣装や小物まで詳細を詰めたキャラクターシートを同封しての応募でした。作品以外の応募物は直接の評価対象にはなりませんが、丁寧にキャラ設定を詰めた点が功を奏してか、キャラクターにブレがない点が高評価。人物紹介のモノクロイラストで、3人の関係性を窺わせる複数のシーンを織り込む工夫がなされている点も秀逸でした。

佳作

あと一息

渦丸さん / 千葉県

渦丸さんの作品は、キャラクターの表情づけが群を抜いていました。咲子、令一、端島がカラーとモノクロでそれぞれ違う表情で描かれているのですが、その表情にはあらすじから連想できる説得力があり、「生きたキャラ」になっている点が大変素晴らしかったです。

あと一息

高橋えむ太さん / 大阪府

令一と端島という2人の男性キャラクターを、「線が細い書生」と「無骨な雰囲気の軍人」としてきっちり描き分けられている点がよかったです。カラーは窓から入る光まで意識して描かれていますが、モノクロは背景や光源がやや曖昧になっているので完成度を揃えましょう。

あと一息

ヤナギヨミさん / 広島県

「明治時代の東京」をストレートに描くのではなく、オリジナルの解釈で挑んでくれたヤナギヨミさん。レトロでありつつもポップなデザイン、ユニークな着想が評価されました。モノクロイラストは全体にトーン処理が行われ、やや散漫な仕上がりになっているので注意してください。

  • 香澄瑠衣さん / 埼玉県

    整理された描線と、丁寧な塗りが、清潔感のあるキャラクターとうまくマッチしています。店内のインテリアを、明治時代実際に流行したアールヌーヴォー風にまとめてある点も雰囲気に説得力がありGood。

  • あおいさん / 千葉県

    モノクロイラストで、1人に対する残る2名の印象を織り込む構図の工夫がお見事! 3人の関係性を見事に表現できていました。カラーはレトロな色使いが印象的ですが、少し平板に見えるので光の使い方等で工夫を。

  • 梨本つみれさん / 千葉県

    キャラクターに目力があり、イキイキとした表情が描けている点がよかったです。人物が魅力的なぶん、小物や背景等ももう少し練習を重ねたいところです。また、カラーの描線は色に埋没しないよう描くとよいでしょう。

  • ないしさん / 東京都

    構図の工夫が伝わる作品でした。カラーは、レトロさを意識したセピア調でありつつ、咲子の着物とリボンの青色で華やかさを出せているのがよかったです。正面向き以外のアングルでは骨格にやや違和感があるので注意してください。

  • あき塩津さん / 神奈川県

    カラー、モノクロとも全身が描かれていますが、人間の骨格がリアルにとらえられている点が優れています。モノクロはトーン処理に頼りすぎず描線で魅せる力を感じさせました。カラーはもう少し目立たせたいところを意識して。

  • 田中舞さん / 神奈川県

    強弱をつけた描線で、線画に表情がある点がGood。アングルや陰影処理など、マンガの経験を思わせるモノクロの完成度が際立っていました。カラーは背景の3D感がちょっと浮いているのでもう少し馴染ませて。

  • 山吹花音さん / 神奈川県

    華やかさのある絵柄で、カラーは赤・緑の補色でまとめた色使いも◎。男性キャラ2名は、表情は違うのですが体つきなどが似ているので、同性の描き分けを練習してみて。背景は「素材を貼った」感が出ないよう処理を工夫しましょう。

  • もりのみのりさん / 石川県

    華やかさのある絵柄で、カラー・モノクロとも小物のあしらい方がこなれています。特に評価が高かったのがモノクロで、きちんと光源を意識した陰影をつけられている点が高ポイント。背景のパースにもう少し注意するとよいでしょう。

  • shihoさん / 福井県

    カラー、モノクロとも思い切った構図、描線ではなく色の濃淡で表現する独創性に注目が集まりました。これまでの作品と比べて、今回は人物がやや埋もれている点が気になりました。人物が映える構図を工夫してみては。

  • あずきあんこさん / 大阪府

    カラー、モノクロとも細かいところまできっちり描き込みつつ、どこを見せたいかきちんと考えた彩色/トーン処理になっているのが素晴らしい。人物の表情が2枚とも似ているのはもったいないので注意しましょう。

  • WEST POTATOさん / 岡山県

    令一と咲子の表情に初々しさがありとても可愛いです。もう一人のメインキャラ・端島が「没個性な美男子」になっているので、設定を絵で表現できるよう、もう少しキャラクター造形を工夫しては。和装時の骨格デッサンも意識して。

もう一歩の方

16名

雨瀬(北海道)/棚辺かの(東京都)/栃尾(東京都)/はまち(東京都)/志ゆ木(神奈川県)/ayabu(新潟県)/hane(新潟県)/小倉(静岡県)/SUKIyaki(静岡県)/うらとい(愛知県)/凡俗(京都府)/稲猫ネム(奈良県)/太田遙(兵庫県)/ルディンドムルドゥン(広島県)/苗木苗(山口県)/長門さわこ(福岡県)

関連サイト

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